医院名:小松おなかとおしりのクリニック 広崎医院 住所:〒923-0947 石川県小松市日吉町51 電話番号:0761-22-0393

『消化器内科専門医が解説』【下痢】について

下痢
(DIARRHEA)

 

下痢でお困りではないですか?

誰しも一度は下痢でお悩みになられたことがあると思います。下痢といっても症状や深刻さは様々です。
このような下痢症状でお悩みの方はいらっしゃいませんか?

・腹痛を伴う下痢が長期間続いている

・水状や泥状の下痢が出る

・一日に何回も便意を催し下痢をする

・下痢に血液が混ざっている

・便秘であるが、少しずつ下痢状のものがでる。

これらの症状に該当する方は、小腸や大腸で異常が起きているかもしれません。一過性で終わる下痢であれば大きな心配をする必要はありませんが、下痢が長期間続いている場合は、何らかの疾患に罹患している可能性があります。心当たりのある方は、必ず病院で診察を受けるようにしましょう。

 

そもそも下痢ってなに

正常な便としての形状を保てなくなるほど便中の水分量が増加し、液状もしくは泥状のまま体外に排出されることを下痢と言います。下痢が起こる原因は様々なものがありますが、最も気を付けなければならないもののひとつに大腸がんがあります。下痢状のものはでているが、実は便秘が隠れている『かくれ便秘』という状態もありえます。下痢を起こすということは、体に何らかの不調が現れていることを示すサインです。長期間放置することは止めましょう。

 

下痢を起こす原因

腸管蠕動運動の異常

腸管の蠕動運動(内容物を押し出す運動)が正常であれば、腸管内で水分が吸収され、固形の便が形成されます。しかし、この蠕動運動に異常が現れると、水分が上手く吸収されず下痢として体外に排出されます。腸管蠕動運動の異常の原因としては、がん性腹膜炎、過敏性腸症候群、甲状腺機能亢進症、などがあります。

腸管内での炎症

腸管内で炎症が起きた際には、腸管壁の組織液が滲み出ることで便中の水分量が増加する・あるいは吸収が不良となるため、便の正常が柔らかくなり下痢を引き起こします。炎症を引き起こす原因としては、感染性腸炎(細菌・ウイルス)、炎症性腸疾患(クローン病・潰瘍性大腸炎)、薬剤性腸炎(胃薬の一部や抗生剤など)、膠原病などがあります。

感染性腸炎

慢性的な下痢ではなく、急性の下痢を引き起こします。大腸菌・サルモネラ・腸炎ビブリオ・カンピロバクターなどの細菌感染や、ロタウィルス・ノロウィルスなどのウイルス感染が当てはまります。その他真菌や寄生虫などが原因となり、下痢を引き起こす場合もあります。ステロイドや免疫調製剤内服中の方ではサイトメガロウイルス腸炎などの注意が必要です。

薬剤による副作用

PPIと呼ばれる胃薬(なかでもタケプロン=ランソプラゾール)や、下剤、抗生物質、抗がん剤、抗炎症薬・解熱鎮痛薬など
なかでも抗生剤使用にともなう偽膜性腸炎には注意が必要です。

PPIと呼ばれる胃薬によるcollagenous colitisという病気は疑わないと診断ができません。
原因不明の下痢が長期間続いている人の中でcollagenous colitisがみつかることはときどきあります診断ができれば薬を中止しますが、それだけで劇的に改善します。

栄養不良状態あるいは低アルブミン血症

栄養不良状態があれば、血中の蛋白質濃度が低下し、低アルブミン血症という状態になります。低アルブミン血症になると、血管から水がしみでやすくなるために、体がむくみ、腸も浮腫を起こします。それに伴い下痢が続くことがあります。
低アルブミン血症を引き起こす疾患は様々ありますが(がん疾患、小腸疾患、消化不良を来す疾患など)

消化不良を来しやすい状態

胃切除後、膵切除後、胆嚢摘出後、慢性膵炎など

生活習慣の乱れや精神的ストレス

腸管の働きは自律神経と関係が深いため、精神的ストレスにより自律神経に異常が生じると下痢を引き起こします。また、暴飲暴食やアルコールの過剰摂取、偏った食事を繰り返すなど、生活習慣の乱れが原因となって下痢を引き起こす場合もあります。

 

下痢の治療方法

薬物療法

必要に応じて下痢を止め薬を使用しますが、感染性腸炎の場合には下痢止めを使用せず、下痢によってウイルスや細菌を体外に排出させます。患者様の症状や病態を考慮し、適切に処方します。

水分補給と点滴

激しい下痢は脱水症状を引き起こす恐れがあるため、これを防ぐために水分補給を行う必要があります。電解質を多く含むスポーツドリンクを飲むことが望ましいです。必要に応じて、点滴による水分と栄養の補給も行います。

生活習慣改善

腸管は自律神経の影響を大きく受けるため、できる限り精神的ストレスを回避する環境整備を行うことが望ましいと言えます。食事については偏った食事には気をつけ、一日三食のリズムを整えながら、消化の良いものを取ると良いでしょう。また、十分な睡眠を確保し、適度な運動を行うことも重要です。

おまけ

急性の下痢、特に食あたりについて音声配信をしています。
主に細菌性腸炎のお話です。
こちらをご視聴いただけますと、下痢の際の注意点(飲水や食事方法について)などの理解ができます!

おまけ

急性の下痢、特に食あたりについて音声配信をしています。
主に細菌性腸炎のお話です。
こちらをご視聴いただけますと、下痢の際の食事方法についても理解ができます!

小松おなかとおしりのクリニック広崎医院の下痢外来

下痢外来

 

小松おなかとおしりのクリニック広崎医院では消化器内科クリニックとして、下痢症状でお悩みのかたの外来診療を積極的に行っております。
下痢は日常的に良く起こる症状であるため、「問題ないだろう」と軽視される方が多くいらっしゃいます。
しかしながら、慢性的な下痢の原因として、潰瘍性大腸炎や大腸がんといった重大な疾患が潜んでいる可能性もあります。
急な下痢症状であっても、慢性的に続く下痢症状であっても、下痢症状でお悩みの方はお気軽にご相談下さい。
24時間ネット予約にも対応しておりますので是非ご活用ください。

 

 

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