❖コラムNo. 14
column
【胃もたれの原因】
みなさま、こんにちは!
石川県小松市日吉町にある『 小松おなかとおしりのクリニック広崎医院 』
副院長の広崎拓也です。
今回のコラムでは、”胃もたれの原因”についてお話させていただきます。
「胃もたれって何が原因なの?」
「どこまで様子を見ていいの?」
「受診が必要なのか、胃カメラなどが必要なのかよくわからないです…」
などなど”胃もたれ症状”に関して解説いたします!
胃もたれとは?
「胃もたれ」とは、胃が重たい、気持ち悪いと感じる症状のことを言います。
脂っこい食べ物を食べた後や、嗜好品や刺激物の過剰摂取、暴飲暴食をした際に感じることが多いです。
普段の生活の中でも良く起こる症状ではありますが、「胃もたれ」が長く続くようであれば消化器疾患の疑いがあるため、注意が必要です。
胃もたれの原因
-
胃もたれの原因はいくつもありますが、代表的なものを挙げていきましょう。
ストレス
ストレスにより自律神経系のバランスが乱れることで、消化管の働きに異常をきたし胃もたれが生じます。
ショックな出来事があった時、喧嘩した時、大失敗をしてしまった時など、全くお腹が空かないってことはありませんか?
胃腸の動きは自律神経でコントロールされています。自律神経が乱れてしまえば、食欲がなくなったり、いつも通り食べるともたれてしまうことは想像がつきやすいですよね。
加齢
食べ物を運ぶ力である胃腸の蠕動運動が低下することで、消化に時間がかかり胃もたれを引き起こします。
食べ放題にいっても平気なのは若いときだけですよね。ホルモンバランス
月経周期などによる女性ホルモンの乱れが影響して、胃もたれが引き起こされる場合があります。
特に生理前の黄体ホルモンの分泌量が多いタイミングでは胃腸の蠕動が弱まります。消化器の病気
上記に挙げたような理由で胃もたれを起こすことは実際に多いです。
-
しかし以下のような、内視鏡検査を実施しないと確定できないような消化器疾患で胃がもたれている場合があるので注意が必要です。
内視鏡検査等で明らかになる疾患として代表的なものとして、逆流性食道炎・胃がん・胃潰瘍・十二指腸潰瘍などがあります。
-
また、内視鏡検査で胃がんや胃潰瘍が否定されてこそ確信に至るような「機能性ディスペプシア」という疾患もあります。
機能性ディスペプシアに関しても別のコラムで取り上げたいと思います。
年齢別でみる、胃もたれの原因!
-
若い方に起きやすい胃もたれの原因
胃もたれが継続的に起きている20・30代の方は、生活習慣の乱れや消化器疾患の可能性が高いです。
特に、不規則な生活をされている方や胃酸の逆流性食道炎を感じる方は逆流性食道炎・胃炎の可能性が高く、食生活習慣の改善が必須です。
食生活習慣の改善や短期的な投薬をしても症状の改善のない場合はかなり注意が必要です。その場合は胃内に大なり小なり問題を抱えている可能性がありますので、些細な症状でもお気軽にお問い合わせください。
比較的お若くても(特に女性の場合)発症を認める、スキルス胃がんなどの病気もあるので注意が必要です。
-
中年期に起こりやすい胃もたれ
-
特に女性では更年期による胃もたれが多いことが知られています。
更年期によるホルモンバランスの乱れから自律神経も乱れてしまい、胃の蠕動運動に影響してしまうからです。
年齢的にはピロリ感染されている方も多く、ピロリ感染の影響や、胃がんの関与も懸念されるために、状況によっては胃カメラ検査などの精密な検査を受けることが必要となるでしょう。
比較的お若くても(特に女性の場合)発症を認める、スキルス胃がんなどの病気もあるので注意が必要です。
-
高齢者に起こりやすい胃もたれ
ご高齢の方で胃もたれ症状を感じる方は、加齢が関係している可能性があります。
しかし、年齢的には胃がんなどの悪性疾患のリスクがグッと上がってきます。
症状が続く場合、「ただの胃もたれ」と思わずに胃カメラ検査などの精密な検査を受けた方が良いかもしれません。
過去にピロリ感染があった方、
現在ピロリ感染をしている方、
検査を受けられたことのない方(胃がんのリスク因子のピロリを保有している可能性は年齢的に高い)
は、積極的に検査を受けられることをお勧めします。
症状が持続する場合に考えておくべきこと
持続した症状があれば、しっかりとした現状把握が必要です。
一過性のものなのか、今後も繰り返すものなのか、大きな病気ではないのか、放置しておいても良いものなのか、
何より、「原因がなんであるのか」を把握することが最も大切です。
原因がわからなくても、良くなってしまったり対症療法で済んでしまうことは、実際そこそこあります。
しかし、それ以上は何もわからないので、それでよかったのかどうかは不明です。
かなり短期的なものであれば、正直それでいいと思っていますが、
やや症状の期間が長かったり、繰り返していたり、なんだかいつもと違うという感覚があったりする時など、
そんなとき、現状分析は必要ですよね。
重篤な疾患であっても早期発見・早期治療をすることができれば、治る可能性が高まりますし、一方、軽い疾患だとしても原因がわかれば、今後のために様々なアドバイスが可能となります。
どんな些細な症状でも、どうぞお気軽にご相談ください。
胃カメラ検査とは
胃カメラ検査とは、食道・胃・十二指腸の粘膜を直接観察する検査をいいます。柔軟性のある電子スコープを用いて観察することで痛みを少なく診断することが可能です。また、内視鏡の最新機器を用いて、患者様の状態を適切に観察することができます。さらに、疑わしい部位は、組織を採取して確定診断を行うことも可能です。
当院の胃カメラ検査は、鼻から検査する経鼻内視鏡検査と口から検査をする経口内視鏡検査を選択することが可能です。また、眠った状態で受けていただける鎮静剤を用いた胃カメラ検査を実施しています。
胃カメラ検査で分かる病気
-
- 胃がん
- 胃ポリープ
- 胃潰瘍
- 十二指腸潰瘍
- 食道がん
- 食道裂孔ヘルニア
- 逆流性食道炎
- 機能性ディスペプシア
-
胃カメラ検査によって、胃・食道の状態を正確に判断することが上記の病気の予防に繋がります。ご不明な点がございましたら当院までお問い合わせください
胃カメラ検査の特徴
①最新内視鏡システムを用いた胃カメラ検査
②「オエっ」となりにくい、鼻から受ける胃カメラ検査
③口から受けることができる経口内視鏡検査
④眠った状態で受けていただける胃カメラ検査
➄お腹の張りを抑えたCO2送気(二酸化炭素ガス)送気
⑥胃カメラ検査・大腸カメラ検査の同日実施
【詳しくはこちら】
【まとめ】
- 今回のコラムでは、”胃もたれの原因”についてお話いたしました。
当院では、引き続き皆さまにとって有益な情報を発信できたらと思います!
最後までお読みいただき誠にありがとうございました!
次回のコラムもお楽しみに・・・^^
✔この記事を書いたひと
✔広崎拓也 小松おなかとおしりのクリニック広崎医院 副院長
日本内科学会 認定内科医
日本肝臓学会 肝臓専門医
日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医
日本消化器病学会 消化器病専門医