❖コラムNo.13
column
【 便潜血陽性・血便とは】
みなさま、こんにちは!
石川県小松市日吉町にある『 小松おなかとおしりのクリニック広崎医院 』
副院長の広崎拓也です。
今回のコラムでは、”便潜血陽性・血便”についてお話させていただきます。
なんと、便潜血陽性の50%が、、、
便潜血陽性を指摘されたけど、
「大腸カメラ検査が怖い」
あるいは
「いつもの痔だろうから様子みよう」
などといった理由で様子をみておられる方はいらっしゃいませんか?
これまでに蓄積されたデータでから、便潜血陽性で大腸内視鏡検査を受ける意義が非常に高いことがわかっていますので、どうかそのままにしないでくださいね。
具体的に説明させて頂きますと、健康診断で検便を受けた方の約100人に6〜7人が便潜血陽性と判定されるといわれています。
便潜血陽性の方が大腸内視鏡検査を受けた場合には、なんと、約50%の患者様で腺腫性ポリープが見つかると言われており、便潜血陽性の2~3%の方から大腸がんが発見されるというデータもあります。
この50%の腺腫性ポリープは前癌病変といい、ずっと置いておけばいずれ癌になる可能性のあるものです。
極端な話ですが、100歳の方にこのポリープを見つけて放置しておいても、103歳くらいで肺炎などでお亡くなりになられれば癌にならないことになりますが、
まだまだ人生が長い方にポリープが見つかれば、年々癌になるリスクは上がっていくことになります。
自覚症状を感じて病院で発見された癌は約80%が進行癌とされていますが、便潜血検査で見つかった大腸癌は40%は進行癌で、60%が早期癌とされています。
つまり、早い段階での治療が可能になるということです。
放置をしてしまい、自覚症状が出てからでは遅いことが多く、後悔してもしきれません。
「あの時、大腸カメラをしていれば、、、、」
そんなことにはなってしまっては悲しいです。
いきなり話は変わって申し訳ありませんが、自己投資ってされますか?
本を買って知識をつけたり、セミナーなどに参加してノウハウやナレッジを受け取ったりすることも投資の一つです。
未来への自分に対し、お金だけでなく時間や労力などを使って対価を得ることです。
大腸検査をはじめとした内視鏡検査も一つの投資と言っても過言ではありません。
検査は決して簡単とは言えません。(でも、鎮静剤を使ってしまえば寝ている間に終わります!!)
下剤も飲まないといけないし、半日以上はそれに費やすわけですから。
ただ、それは未来の自分への投資として考えれば、「半日強の時間や労力が、何ものにも代え難いものになる」可能性があります。
先にも言いましたが、便潜血陽性の方の半数に腺腫性ポリープが見つかります。
そのポリープを切除しておくことは、将来の大腸がんを予防することにつながるのです。
ポリープ切除により大腸に腺腫性ポリープがない状態をクリーン・コロン(clean colon)と呼びます。クリーン・コロンの状態を保てば大腸がんになる可能性は極めて低くなることがわかっており、従来は放置可とされていた5mm以下のポリープも、現在では切除すべきという考え方に変わっています。
便潜血陽性であれば必ず内視鏡検査を受けましょう。
そして腺腫性ポリープが見つかって切除した場合は、クリーン・コロン達成のために定期的な内視鏡検査を受けましょう。
(データ等の参考:ドクターサロン66巻1月号(12. 2021)
https://www.kyorin-pharm.co.jp/prodinfo/useful/doctorsalon/upload_docs/220166-1-05.pdf)
下血・血便とは
下血・血便は消化管(食道・胃・小腸・大腸)や肛門のなんらかの異常が示唆される状態です。ただ、下血・血便と一言にいっても、色・性状、付随する症状などはさまざまですが、注目すべき点は下血・血便の量と色です。下血・血便の症状が現れている場合には、重篤な疾患に罹患している可能性があり、放置することは非常に危険です。ご自身で判断をすることは難しいため、必ず専門医の診察を受けるようにしましょう。
便潜血陽性とは
便潜血検査は、見た目では分からないレベルの血液成分でさえ拾い上げる、感度の高い検査です。
実際に血便や排便時出血が確認できない場合であっても、便潜血陽性の結果が出た際には、何らかの重大な疾患が隠れているかもしれません。
大腸がんや大腸ポリープはもちろんのこと、潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患や、痔・直腸粘膜脱症候群といった、様々な疾患が見つかることがあります。
便潜血陽性・血便の原因となる病気
- 感染性大腸炎
- 潰瘍性大腸炎
- クローン病
- 虚血性大腸炎
- 偽膜性大腸炎
- 大腸ポリープ
- 大腸がん
- 大腸憩室出血
- メッケル憩室
- 腸重積症
- 上部消化管出血
- 胃潰瘍
- 十二指腸潰瘍
- 食道静脈瘤破裂
- 悪性腫瘍の消化管穿破
- 大動脈瘤消化管穿破
- シェーンラインへノッホ紫斑病
- 薬剤性消化管粘膜障害
便潜血陽性や血便・下血は放置をすると大変危険です。
些細な症状でも、お腹の専門である石川県小松市の『小松おなかとおしりのクリニック 広崎医院』までご相談ください。
大腸カメラ検査とは
柔軟性のある電子スコープを用いて、大腸の粘膜を直接観察する検査のことです。
より詳しく調べるべき病変を認めた部位に対しては、組織を採取して確定診断をいたします。
苦しい、痛い、下剤が不味いなどと言われている大腸カメラ検査ですが、
当院では、
【鎮静剤(眠って検査)】
【CO2ガス送気】
【水浸法】
などの苦痛を軽減させるための対策をしております。
そのため安心して検査を受けていただけます。
直接ご来院される場合
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- ● 直接ご来院いただき、クリニックにて検査日のご予約をしていただきます。
- ● できる限り早めの大腸検査ご希望の方は、直接クリニックにご来院いただきご相談ください。
日帰りポリープ切除
【詳しくはこちら】
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まとめ
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今回のコラムでは、”便潜血陽性・血便”についてお話いたしました。
- いかがでしたでしょうか?
- 便潜血陽性で大腸検査は本当に必要なのかどうかがわからなく困っている方、検査を受けるのに一歩踏み出せない方にとって、少しでも参考になれば幸いです!
当院では、引き続き皆さまにとって有益な情報を発信できたらと思います。
最後までお読みいただき誠にありがとうございました!次回のコラムもお楽しみに・・・^^
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✔この記事を書いたひと
✔広崎拓也 小松おなかとおしりのクリニック広崎医院 副院長
日本内科学会 認定内科医
日本肝臓学会 肝臓専門医
日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医
日本消化器病学会 消化器病専門医